未来の1/fragment
「そんな台詞、一度でいいから言ってみたいもんだな。先生達はT大学に行くと思って期待してるんだぞ‼︎」
「誰がどう思うとも、自分の人生は自分で決めるの」
「何事も一番になりたいんだろ?だったら頂点を目指せよ‼︎」
喧嘩のような強い口調になる2人だが、夏海は足を止めて丸林をじっと見つめる。
「何だよ⁉︎」
黙って見つめて5秒後、ただならぬ雰囲気に丸林はゴクリと息を飲む。
「私、いつどの大学に行くとか言ったかしら⁉︎」
「あぁ⁇」
「当然、私の第一候補はT大学。この赤本の大学は滑り止めで受けるつもりの私立大学」
「そうなのか⁉︎」
「みんなして何早とちりしてるんだか…」
夏海は首を傾けながら再び歩き始め、丸林は慌てて前を追う。