未来の1/fragment
「ちょっと待て!みんなって誰なんだよ、俺以外に聞いた奴がいるのか?」
「さぁ〜⁉︎」
「おい、ふざけんな。俺はどれだけ心配して…」
「心配?私の事⁉︎」
つい言ってしまったと言う表情を浮かべる丸林は、右手で口を塞いだ。
問い詰められると思い、焦りを感じる。
「丸林って他人の心配をするようになったのね⁉︎ふーん。まぁいいや」
鼻につく言い方だが、意外とサラッと受け流された。
すると背後から車のヘッドライトが強く光り、クラクションが鳴り響く。
夏海は後ろを振り向いた途端、ヘッドライトの光を見た瞬間に中学時代、堀澤に助けてもらった背景がフラッシュバックしてしまい、立ち止まってしまった。
反応が鈍いことに気付いた丸林は、咄嗟に夏海の腕を掴まみ引き寄せた。