未来の1/fragment
「俺さ、今からどんな事が自分の身に起ころうとしても、立ち向かうって決めた。人間が乗り越えられない壁って、神様は与えないっていうだろ⁇」
丸林の発言はポジティブなのか、または強がって見せてるだけなのか。
でも力強く抱きしめた時、微かに聞こえる胸の鼓動と、声のトーンで何となく分かる。
丸林の腕を掴んで離そうとした時に「ちょっと待って」と呟き、ギュッと側から離そうとしない。
「もう少しだけ…このままでいさせて」
【 怖いんだ、きっと 】
この先丸林に起こる出来事には、選択肢が二つある。
それはとても大事なことで、人生が変わる程大きな分岐点となる。
今すぐに伝えて選択させるべきなのか、もし言ったとしても頭は真っ白で、考える余裕なんてないだろうと、夏海はどうするべきか頭を悩まされていた。