未来の1/fragment





いつも通りに学校へ登校した夏海は、自分の席にリュックを置いた時にふと、丸林の席に視線を向ける。


教室の後ろの扉にぶつかる音がして、夏海は後ろを振り返る。


そこには丸林の姿があり、右肩に掛けていたリュックが扉にぶつかる音がドーンと響いただけで、本人は何事もなかったかのように振る舞うが、足元がおぼつかない様子で自分の席に座った。


いつもの事のように、クラスメイトは丸林の様子を気にも留めないが、夏海は一目で分かった。


朝から明宝学園のニュースが、どの局番組のチャンネルを変えてもテレビで何度も流れる。


更にネットニュースのトップにもなり、情報が拡散していて、改めて事の重大性に気付かされる。


社会情勢に興味があるものなら、知らない人はいないだろう。




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