未来の1/fragment
「いや待てよ確か…丸林の弟は明宝だったよな⁉︎」
クラスメイト達の目線が丸林の方に向けられ、それは好奇な目で冷ややかなものだった。
ざわざわし始めたクラスの雰囲気にも関わらず、丸林はうつ伏せになって寝ていた。
授業が始まり、シーンとしたいつもの雰囲気に戻ったのも束の間だった。
授業が終わるのを後ろの扉の窓から見ていた担任の西岡が、丸林に黙って手招きしていた。
呼ばれるがまま丸林は西岡の元へと向かうと、西岡が右手でガシッと丸林の肩を組んだ。
西岡は廊下の方に移動させ、丸林の耳元でコソコソと何かを話しているように見えた。
真弥とさやかが黒板を消しながら、廊下で2人が何かを話しているのを見て
「何話してんだろ」
「さぁ⁇」
夏海も2人の姿を見て、何処か胸騒ぎを感じ始めていた。