未来の1/fragment




西岡は丸林に向かって優しく小声で話し始める。



「今すぐ家に帰れ、寄り道せず真っ直ぐ」


「えっ⁉︎今からですか、またどうして」


「下に報道陣が来てる、放課後まで丸林を待つつもりだから、その裏をかくぞ‼︎すぐに荷物取ってこい‼︎」



はぁ…と溜息をつきながらも丸林は、西岡に言われるがまましれっと教室に戻り、リュックを右に肩掛けして出て行った。



✳︎ ✳︎ ✳︎



夏海は教室の窓から外を眺めると、正門前に沢山の報道陣がカメラを構えて待っているのが見えた。


真弥とさやかが黒板消しを窓の外にはたきながら、外の様子に気付くと



「何でうちの学校に記者が来てるの?」


「学校間違ってるでしょ、明宝なら一駅先なのに…」



夏海はいきなりキーンと耳鳴りがし始め、周りの空気と同調(シンクロ)し始める。





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