未来の1/fragment
西岡は丸林に向かって優しく小声で話し始める。
「今すぐ家に帰れ、寄り道せず真っ直ぐ」
「えっ⁉︎今からですか、またどうして」
「下に報道陣が来てる、放課後まで丸林を待つつもりだから、その裏をかくぞ‼︎すぐに荷物取ってこい‼︎」
はぁ…と溜息をつきながらも丸林は、西岡に言われるがまましれっと教室に戻り、リュックを右に肩掛けして出て行った。
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夏海は教室の窓から外を眺めると、正門前に沢山の報道陣がカメラを構えて待っているのが見えた。
真弥とさやかが黒板消しを窓の外にはたきながら、外の様子に気付くと
「何でうちの学校に記者が来てるの?」
「学校間違ってるでしょ、明宝なら一駅先なのに…」
夏海はいきなりキーンと耳鳴りがし始め、周りの空気と同調(シンクロ)し始める。