未来の1/fragment
「困っている生徒に気付き、助けるのは担任の責任だろ?」
「正義感ってやつですか、先生らしいですね」
フッと表情を緩ませる西岡の横顔は、とても勇ましく美しく見えて、思わず息を呑んだ。
「さぁ行こうか、迎えの車が来る時間だ」
西岡は右腕で丸林の肩を組み、足早に裏口へ向かう。
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廊下を走りながら考え事をしていた夏海は、踊り場のところで一度立ち止まった。
「夏海、ちょっと待ってよ〜‼︎」
背後から真弥とさやかの声が聞こえるが、振り返らない。
表には記者達がいて、そこを強行突破するとは考え難い。
そうなると、裏口から出るはず。ただ裏をかくとしても、相手はプロの記者達だ。裏口から出る事も想定内され、数人は待ち構えているだろう。