未来の1/fragment
「それならそうと、どうしてその事を教えてくれなかったんだ⁉︎」
「だって、よく考えてみて?『私、未来が見えるの』って言って、『はい、そうですか』ってすぐに受け止められる?信じてもらえると思う?そんな簡単に理解できないでしょ⁉︎だから誰にも言えなかった。
この先自分の身に何が起きるかなんて普通なら分かるはずがない。もし分かったとして、嫌な事なら知りたくないでしょ?情報を全部知る必要なんてない。その事を1番堀澤に知られたくなかった」
堀澤は夏海の話を聞いて、思わずゴクリと息を呑む。
「私は未来が見えた人がより良い方向へ、幸せになる方法を導いてあげる手助けをしたい。その後の運命は自分次第で切り開いていかないといけない」
夏海は堀澤に背を向け、校舎の方へ戻って行った。
頭の中が真っ白になる堀澤は、戸惑うばかりだった。