未来の1/fragment
遂に打ち明けてしまった、自分の『秘密』を。
この『秘密』が次々巻き起こる事件に翻弄されていった。
他人に話したことにより、荷が降りたというか、少し気が楽になった気持ちになったが、同時に神経を使って疲労感も出てきた。
夏海は校舎に入り、人通りが少ない廊下の壁に背をつけ、体重をかけてもたれかかった。
するとスカートのポケットに入っている携帯のマナーモードがブルブル鳴り始めた。
「もしもし?」
「あっ坂尻⁇今大丈夫か?」
その声は、丸林だった。
「あのさ…聞きたいことがあるんだけど」
「ん?何?」
丸林は自分の部屋のソファーの背もたれにバサっと無造作に置かれたブレザーの中からメモ紙を見つけていた。
そのメモ紙に書かれていたのは、たった一行。
『今日の夜にタイムリミットが来る』