未来の1/fragment
丸林は重たい自宅の玄関の扉を開けた。
リビングに立ち寄ると、父母弟が話し合っているところに遭遇する。
いつものように通り過ぎようとした時に、父親から呼び止められる。
「将生、父さんな…この事件が落ち着いた頃に退職しようと思ってるんだ」
「はぁ、それで?」
「それでだな、母さんとも離婚する事にしたんだ。これ以上事件に巻き込みたくないからな。他人に戻って穏やかな日々に戻りたいと…」
「そうなんだ…」
「離婚するということは、どちらかについていくことになるが、お前はどうしたい?」
坂尻の言う通り、予言は的中だな。
フッと余裕な笑みを思わず溢してしまう。
母親と弟は俺の判断を気にしてか、じっと視線を感じる。どんだけ俺のこと嫌いなんだよ⁉︎って嫌気がひしひしと伝わる。
「もう俺は決まってるんだ」
そう言って右手で指を刺した。
「俺は…」