未来の1/fragment
翌日、夏海は普通通りに学校へ登校した。
昇降口で靴を履き替えていると、堀澤が「おはよう」と夏海に声をかけ、隣で靴箱を開けた。
「おはよう、腰と膝の怪我の具合はどうなの?」
「あぁ、まずまずかな」
「そう…」
廊下を2人で並んで歩いていると、背後から走ってくる生徒が夏海にぶつかった。
よろける夏海は右手で堀澤の腕を掴んだ。
「おい、大丈夫か?」
堀澤と目が合った瞬間に、キーンと耳鳴りがして夏海は徐に目を一旦瞑り、視界は真っ暗になる。
〜
バレーコートの上でバレーボールを右手で叩きつけてバウンドさせる堀澤が現れた。
相手チームは堀澤のサーブを受ける準備をしている。
右手にボールを乗せ、トスの高さを確認しながらスタート。
トスを投げ上げると同時に左足を、大きく一歩踏み出す。2歩目を大きく踏み込み、ジャンプの体勢に入る。エンドラインの手前でストップをかけ、重心を沈める。