未来の1/fragment




両手を振り上げながら両足で踏み切って前方へ高くジャンプ。空中で全身を反らし、大きくバックスイングして、ネットすれすれにボールを打ち込む。手のひらを外に向けながら、腕を思い切り振りぬく。



堀澤のジャンプサーブの持ち味は、スピードとパワーである。相手に反応の余裕を与えず、一瞬のうちにコートにボールが突き刺さる。



堀澤のジャンプサーブを目の当たりにした相手チームは思わず唖然となり、言葉が出ない。


ベンチでは監督がニヤッと口角を上げる。



「怪我からやっと復活したな」



堀澤は大勢の観客の歓声のど真ん中でガッツポーズをしていた。



「よっしゃ‼︎」



ユニフォームの胸には『JAPAN』、振り向いた時に見える背中には『HORISAWA』と刺繍されていた。








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