未来の1/fragment
夏海の前に1人の男子生徒が右腕を出して身体を阻止された。隣を振り返るとそこには堀澤が立っていた。
ここで待っとけとばかりに、堀澤は一人でクラスメイトの元へ近寄る。
「おい、丸林の話はそれくらいにしとけ‼︎誰が聞いてるか分からない」
堀澤はクラスメイトの側により、小声で何かを話しかける。
「ほらあそこに、噂話が嫌いな奴がお前を睨んでるぞ⁉︎」
クラスメイトは少し離れたところに立ってた夏海に気付き、そそくさに教室の中に入って行く。
「坂尻見てビビったよ、恐るべし…」
クスッと笑う堀澤は一人で小声で呟き、チラッと夏海に目配せをしては、両手をズボンのポケットに入れて教室へ入って行った。
堀澤がクラスメイトに話しかけていた内容は聞こえはしないが、何となく想像できるような気がして夏海はクスッと笑い、前を歩き出す。