未来の1/fragment
でも池谷くんにこの事実を伝えず、何も行動しないままその時を迎えてしまうのは惜しい。
見て見ぬ振りなんか出来ない。
お節介だと思われてでもいいから、彼の夢を叶えてあげたい。
『どうにかしないと…』
授業中、その事で頭がいっぱいで、勉強にも手がつかなかった。
【 昼休み 】
中庭を歩いていた夏海は、ベンチに寝そべって昼寝をしている丸林を見つけた。
そっと近くまで近付いて、花壇の煉瓦に腰かけた。
「何の用だ?眠りの邪魔すんな」
「あれ、気付いてたんだ‼︎」
薄っすら片目を開けて側に座る夏海を見た丸林は、溜息をつきながら腕を組んで再び目を閉じた。