未来の1/fragment
「ねぇ、1つ聞いてもいい?」
「何だよ」
目を瞑ったまま返事をする丸林に問いかけた。
「もしも…私があなたの未来が分かるとしたら、自分の未来って知りたい?」
目を開けて起き上がった丸林は、夏海と向かい合って座り直しフッと鼻で笑った。
「俺は知りたくねーな。でも結局は、自分の意思で良い方にも悪い方にも変化する。俺だったら、悪い方に進まないように導いてくれる人がいたら、そりゃありがたいけどな…」
「それだ‼︎」
いきなり大きな声を出して立ち上がった夏海を目の前に、丸林は「えっ?」と困惑した。
「急にどうしたんだよ⁉︎」
「丸林って、案外気の利いたこと言うのね。ありがとう‼︎」
夏海は走って校舎の方へ戻って行った。