未来の1/fragment
意表を突かれた答えに驚きを隠せない丸林は、走って行く夏海の後ろ姿を見ながらニヤッと口角を上げて笑った。
「変な女だな…」
一人で呟くと再びベンチに寝転がり、昼寝を再開した。
同じ頃、友人と廊下を歩いていた堀澤は、中庭に男女二人で話している姿を見てパタリと足を止めた。
その男女二人とは、夏海と丸林だった。
『何で坂尻が丸林と話しているんだ?』
不思議そうに首を傾けていると、隣で歩いていたはずの堀澤がいないことに気づいた友人が話しかける。
「堀澤、行くぞ‼︎」
「おぅ…」
坂尻はいつから丸林と話す仲になったのだろうか。
今まで丸林を毛嫌いしていたはずなのに…
堀澤は夏海と丸林の関係に、何やら胸がざわめき出していた。