未来の1/fragment
夏海達の斜め後ろにいた堀澤が、夏海の肩を叩いた。
「池谷ならやってくれる、相手が誰だろうが、俺たちが信じてやらないとダメだろ‼︎戦う前から負けることを考える奴なんか誰もいない」
「そりゃそうだけど…」
堀澤の言葉に閣下された真弥とさやかは、膝に置いていた手を拳にして握り締めた。
隣で見ていた夏海は、ふとベンチから歩いてフィールドに出てきた池谷くんに気付き、視線を移した瞬間…
キーンと耳鳴りがなり頭痛が起こり始めた。
数日前には分かっていた池谷くんの身に起こる出来事が、まるで映像にしたものを早送りで見る感覚に陥った。