未来の1/fragment
池谷は足元ばかりに視線を向けている背番号15番の仕草に気付いた。
そこで相手を試すように池谷は、ドリブルをしながらボールと足元の距離を離した。
案の定、背番号15番は池谷の足元を狙いスライディングをして、ボールを奪いに飛び込んで来た。
『そう来ると思った‼︎』
賭けに出ていた池谷は、ボールをソフトなタッチでリフティングをして背番号15番をあっという間に抜き去った。
『スライディングでボールを奪おうとする時に、足ごと蹴ろうという根端だろうけど、浅はかな考えだな』
池谷は周りの仲間の位置を確認をして、インサイドからゴール下に向かって走る仲間を見つけて、想いを託すように左足からロングパスを出した。