未来の1/fragment
パスを受けた仲間が「よし、池谷ナイスパス‼︎」と呟き、そのままゴールキーパーを上手くかわし、ゴールを決めた。
池谷はアシストで貴重な得点に結び付き、貢献した。
ゴールを決めた仲間の元へ駆け寄る池谷は、フィールドの中で一緒に喜び合い、拳を高々と上げる姿を応援席から見て夏海はホッとしていた。
この一連の流れを目の当たりにしたスカウトマン達は、池谷のプレーに注目し始める。
『池谷くんの今後が楽しみね』
夏海の意味深発言には誰も気に留めず、応援席も盛り上がっていた。
夏海はふと後ろを振り向くと、丸林が応援席の通路に立って観戦していた。
「坂尻の言っていたことが的中したって訳か…」
丸林がボソッと呟いた瞬間、応援席にいた夏海と目が合ったが、その場から離れどこかへ行ってしまった。