未来の1/fragment
後ろを振り返っていた夏海に気付いたさやかは、様子を伺う。
「夏海、どうかした?」
「…いや、今さっき丸林がそこにいたの」
「へぇ〜丸林が来るなんて珍しいね。何か変な事でも起きそうで嫌だな…」
「何⁉︎変な事って、真弥ったら冗談よしてよ〜」
さやかが真弥の肩をバシッと叩いていた。
後半46分ロスタイムになり、ピーピーピー♫と審判が笛を三回鳴らした。
「嘘だろ…」
和泉学園の選手は笛が鳴ると同時に、芝生に座り込んだり、現実的に受け止められず、呆然と腰に手を置き立ち止まる者ばかりだった。
準決勝 光府 vs 和泉学園付属は2:1で、光府が決勝へ進出する事になり、決勝までの高い壁を打破する事が出来た。
県内のニュース番組や新聞でトップ記事となり、異例づくしの出来事で大々的に報道された。