未来の1/fragment
EP:004 ちらつく黒影
【 試合から数日後 】
教室の窓からチュンチュン♫と鳥の囀りが聞こえてくる。
春が過ぎ、夏服に衣替えが始まった頃だった。
授業の合間に夏海と真弥とさやかの3人は、教室のベランダに出て運動場を眺めていた。
教室に入って来た担任は、キョロキョロと見渡し始める。
「おい、池谷はいるか?」
クラスメイトが一斉に池谷の方に視線を向けた。
自分の席に座って、本を読んでいた池谷は椅子から立ち上がった。
「はい」
「校長室に来い‼︎」
「あっ、はい‼︎」
池谷は担任に連れられ教室を出て行った。
「ねぇ何事?」
クラス内がザワザワしている最中、夏海は冷静にベランダから校長室を指差した。