未来の1/fragment
「2人とも見て‼︎プロチームが池谷をスカウトしに来たのよ‼︎」
「あっ本当だ‼︎」
池谷くんは怪我をして整体師になるか、サッカーで活躍してプロになるかの分かれ道だった。
今この瞬間で彼は、人生の分岐点を通過したのだ。
自分の夢へと無事に進む事が出来た池谷の事を思い、夏海は自分の事のように嬉しい気持ちになった。
授業が終わるチャイムが鳴り、さやかが席を立った。
「さやか、どこに行くの?」
「お手洗いに行って来る」
そう夏海と真弥に言い残し、教室を出て行った。
夏海と真弥が目を合わせて、カバンから色々なものを取り出し準備をし始めた。
お手洗いから帰って来たさやかは、教室へ入ろうとした時だった。
バン♫バン♫とクラッカーが教室内に響き渡った。