未来の1/fragment
夏海はシンクロを始め、身の回りを360度見渡した。
本を読む者、宿題をする者、携帯をいじる者、騒ぐ者など、教室内にいるクラスメイトの行動全てに目を向けた。
「ねぇ、夏海はさやかに何をあげたの?」
不意に肩をトントンと叩かれ、隣にいた真弥と目が合った瞬間だった。
ほんの一瞬で、真弥の瞳の奥に吸い込まれるように覗いた。
瞳の奥で映ったものは…
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【 誰もいない校舎の階段で向かい合って話している男女がいる。女子は真弥で、隣にいる男子はクラスメイトの飯田敬太だった。
2人仲良く教室に入り、真弥は黒板の横に飾られたカレンダーに目を向けた。日付は明日。】
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我に戻った夏海は、真弥に目を向けてすぐさま声をかけた。