未来の1/fragment






夏海はシンクロを始め、身の回りを360度見渡した。



本を読む者、宿題をする者、携帯をいじる者、騒ぐ者など、教室内にいるクラスメイトの行動全てに目を向けた。



「ねぇ、夏海はさやかに何をあげたの?」



不意に肩をトントンと叩かれ、隣にいた真弥と目が合った瞬間だった。


ほんの一瞬で、真弥の瞳の奥に吸い込まれるように覗いた。



瞳の奥で映ったものは…







【 誰もいない校舎の階段で向かい合って話している男女がいる。女子は真弥で、隣にいる男子はクラスメイトの飯田敬太だった。

2人仲良く教室に入り、真弥は黒板の横に飾られたカレンダーに目を向けた。日付は明日。】







我に戻った夏海は、真弥に目を向けてすぐさま声をかけた。






< 82 / 403 >

この作品をシェア

pagetop