未来の1/fragment
「真弥、ちょっといい?」
「何?」
真弥は首をかじけながら夏海の後を歩く。
授業中から騒がしい休み時間までずっと机に伏せて寝ていた丸林は、ふと目を開けた時に夏海と真弥が教室から出て行くところを偶然目撃し、ムクッと机から起き上がった。
廊下の踊り場で足を止めた夏海は、真弥に問いかける。
「真弥、私に何か隠し事してない?」
「隠し事って?例えば何よ⁉︎」
「単刀直入に言ってもいい?真弥は…飯田くんと付き合ってるんでしょ?」
真弥は夏海の言葉に図星を突かれたような、いかにも「何故それを知っている?」みたいな驚きを隠せない表情を見せた。