未来の1/fragment
壁に掛けられた時計を見ると19:00になっており、窓から外を見ると陽が落ち辺りは暗くなっていた。
昇降口で靴を履き替え校門の方へ歩いていると
「坂尻‼︎」
名前を呼ばれ後ろを振り返ると、リュックを肩に掛け手を振る堀澤の姿があった。
堀澤は夏海の側まで駆け寄り、隣に並んだ。
「もう練習終わりなの?」
「うん、今日は監督が出張で居ないからね」
「ふぅーん」
「坂尻はこんな時間まで何やってたんだ?部活もしてないのに」
「うん、ちょっと図書館で勉強してたの」
「本当に勉強が好きだな、あんまりし過ぎるとまた怪我するぞ!」
堀澤は夏海のおでこを人差し指でツンと押した。
「痛い‼︎」
夏海の嫌そうな顔を見て、堀澤はクスッと笑った。