未来の1/fragment





学校前のバス停で2人並んで待っていると、夏海が口を開いた。



「堀澤って、今好きな人とかいるの?」


「えっ、急にどうしたんだよ⁉︎」



バスが目の前で止まり、先にバスに乗り込んだ夏海の後を追う堀澤。


バスの通路を歩きながら言い合いをする。



「いや、ごめん。バレーの事しか頭にないんだったわ」


「人に聞いておきながら、何勝手に答え出すんだよ‼︎」



夏海が窓側の席に座ると、後を追うように堀澤が隣の席に座った。



堀澤はふふっと笑い、夏海がギロッと視線を向ける。



「坂尻が人の恋愛とか気にするようになったのか‼︎」


「何よその言い方‼︎人聞き悪いな〜。いいじゃない、ちょっと知りたくなっただけだから」



ふぅーんと返事をする堀澤は、夏海の横顔を見つめていた。






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