未来の1/fragment
翌日
部屋のカーテンを開けると昨日の曇り空は嘘のように、天気が良くなっていた。
「じゃあ、行ってくるね‼︎」
「気をつけてね‼︎」
玄関先で夏海は母に手を振り、家を出て行く夏海を見送った母は、玄関に見覚えの無い黒い傘を見つけた。
「あら⁉︎誰のかしら…」
不思議そうに黒い傘を手に取り、母はクスリと笑った。
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バスに乗り込み、席に座ってバスが動き出した。
夏海は窓の外を見た後、腕時計をちらりと視線を落とした。
池谷くんの時のように、今回は考える時間の猶予がない。
しかも夏海が見た真弥の未来は、今日の放課後にその時を迎える。
学校の前でバスを降りて校門を通過した時、目の前に真弥が一人で昇降口へと歩いているのを見つけた。