未来の1/fragment
夏海は真弥の背後から肩を叩いた。
「おはよう、真弥」
夏海の声が聞こえて横を振り向いた真弥は、一度その場に立ち止まった。
じっと目を見つめる夏海の瞳を見て、真弥は時が止まるような感覚に陥った。
「真弥に聞いて欲しい事があるの。今日の放課後、真弥は飯田くんと喧嘩をする。
それも一生後にも先にも取り戻すことのできない程の大喧嘩になる。そこで真弥には2つの選択肢がある」
夏海は右手で拳を前に出し、人差し指を立てて真弥に示す。
「まず1つは、素直に真実を全て飯田くんに話す。2つは、人間性を疑われ、誤解されたまま、恋人関係を解消。
どちらを選ぶか、真弥の選択次第で、未来がガラリと変わるから」