ホクロ
このあと、時間の経過が分からなくなるほど私は彼と話すことに夢中になってしまうのだった。


この区切られた空間の中で、時の流れさえも忘れさせられた。


彼との会話はあまりにも楽しかったのだ。


彼の語り口がうまいせいかもしれない。


そして彼の話は何もかもが新鮮で、私の興味を引くものばかりだった。


互いの身の上話から政治経済の話まで、いろいろなことを話した。


話している間、エアコンの風が直接当たっているせいか、私は寒さで鳥肌が立っていた。


「寒いので富岡さんの隣に座ってもいいですか?」と聞いて隣に座れば、あわよくばいい雰囲気になってドキドキの展開になるんじゃないかと思ったが、「寒いならエアコン切ってもいいですよ」とでも言われそうだったのでやめた。


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