俺様王子とメイドちゃん

「わっ?!」

湊は突然わたしに後ろから抱きついてきた。


「そんなに怒るなよ。こうするには、

ちょうどいいだろ?」



夏休みだから、主人の湊といる時間は当然

増えるわけで、俺様な湊に今まで以上に

振り回されることになるんだよね。



「やめてくださいっ」

わたしは、湊の腕をぽかぽかとなぐる。



周りに誰がいようとかまわないらしい。


お屋敷にいるときと同じように、わたしに

つっかかってくる。
 
何て迷惑なやつ!



心なしかわたしはさらに強く抱きしめられた。


「じたばた暴れんな。もっと、大胆なこと 
さらたいのか?」

耳元でささやかれた湊の声はどこか楽し

そうで


なんか余計ムカついた。




「ふざけーるーなああ「湊ずるい!!

みさきちゃんといちゃいちゃして!!」」


パンチを食らわそうとわたしが拳を振り上

げた瞬間、陽介さんが声を張り上げた。 


「は?俺のメイドなんだからべつにいい

だ・・・ぐはっ!」


きまった!!

わたしのアイアンクローが炸裂。



「よそ見してるからでしょ?」


湊の腕を抜け出し、勝ち誇った顔で言ってみる。

してやったり

少し嬉しい。

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