俺様王子とメイドちゃん
ああ、そっか・・・



これは、きっと




“あの日”が来る前の思――――   

「あっ、ごめんね。なんか嫌なことでも思

い出させちゃったかな。」



わたしは、槇野くんの声にはっとして顔を

あげた。

「あっ、ううん!何でもないよ。ただ懐か

しいなあって思ってね。」





懐かしい、ね

本当は言葉にできない、もっと複雑な感

情なんだけどな


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