俺様王子とメイドちゃん
広いレストランの中には、お客さんは一人

もいなかった。


テーブルには、小さなろうそくが置かれて

いて、ゆらゆらと揺らめいている。





「よお、美咲」

テーブルに座っている湊はわたしを

見て、嬉しそうに笑った。




怒りがヒートアップする。

ついに現れたな! 西園寺湊!


わたしは拳を握りると、湊をしっかりと見

た。

「湊!わたしに一発殴らせなさいっ!」


一気に飛び出すと、湊めがけてパンチを

した――つもりだった。




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