俺様王子とメイドちゃん

立花学園

「きゃああああっ!! 湊さまよ!」

「蒼さまーっ!今日も素敵!」

「こちらを向いてください! 陽介さま、!」

「絢斗さま、相変わらずクールですわぁっ!」



超金持ち学校、立花学園の朝。

玄関には女子生徒が押し掛け、黄色い

声をあげている。


 
それもそのはず、

彼女たちの熱い目線の先には、立花学園が

誇る4人の生徒がいた。



眉目秀麗 

成績優秀 

それでいて全員が世界トップの企業の御曹司、という


全てが完璧の四人。




優しく微笑みながら歩くのは如月 蒼。

医療系、ITを中心としたの精密機器を生産す

る如月コンツェルンの息子。ロシアの血を

ひく彼の肌は雪のように白い。




彼の後ろを歩くのは、成宮 陽介。

世界的有名ファッションデザイナーの成宮

恭子を母にもつ彼の家は、ファッションブ

ランド『NARUMIYA』を経営している。


金髪にボタンの空いた胸元からは、色気が

漂う。



3人から少し離れたところを歩くのは東条

絢斗。黒髪に眼鏡と真面目でクール。彼も

また、一流企業の御曹司――それも彼の家

は一流ホテルやリゾートを経営している。






そして彼らのの先頭を歩く西園寺湊は、

4人の中でもずば抜けた才能と財を持つ。


世界を代表する貿易会社 西園寺グループ

の一人息子。

ブラウンの髪にピアス。

制服のズボンに、手を突っ込みながら、黄

色い声をあげる女子生徒を呆れたように見ている。









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