儚げに笑う君の


腕を掴まれて走り出すと、


人気のない廊下まで来た



もしかして、佐倉くん
私が困ってるのを見て助けてくれたのかな?

なんて、少し期待しちゃったりして。


「あー、えーっと…」


無言の空気をぶち壊したのは佐倉くんから。


次に彼から出る言葉をずっと待っていたけど、何を言おうか迷っているようだった。




「助けてくれて、ありがとうございます。」



やっぱり、ここは感謝しないと!

佐倉くんが私を助けてくれたかどうかは、わからないけど。


でも、ありがとうって言わなきゃいけないような気がしたんだ。







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