儚げに笑う君の
教室のドアを開けると、みんなが俺に注目する。
俺、なんか変なことしたか…?
「おい!お前また告られたんだろ?」
俺の髪よりも少し明るめな茶色の
遠崎遊に声をかけられた
「あぁ、そうだけど。なんで知ってんだよ」
「そんなの、見に行ったからに決まってんだろ!」
すかさず俺は遊の耳を引っ張った
「おまえ…何やってんだよ。恥ずかしくないのか、人の告白されて姿をみて。」
「いててててて!別に普段ならなんとも思わねえよ!だけど、今回はいつもと違ったんだよ!!」
仕方なく遊の耳から手を離す
「違ったって何が」
「振っただろ?付き合ってないだろ?」
「そうだけど」
「おかしいだろ!いつもなら来るもの拒まず去るもの追わずの平山波留君が振るなんて…!」
「あぁ、そんなことか。」
「そんなことなんかじゃねえよ!!お前…まさか好きな人でもできたのか!?」
好きな人…な。
間違ってはいないけどこいつにそんなこというと危ないからあえて言わないことにした。
「前、告られた女と付き合ったら束縛が激しすぎて、最後にビンタをくらったんだよ。」
「ビンタ…!?こわっ、女って怖いなぁ…」