秘密のキスは夜のオフィスで
秘密のキスは夜のオフィスで
「一条、いったい何度同じミスをしたら気が済むんだ」


「す、すみません……」


「新入社員が失敗するのは当たり前だが、大切なのは一回のミスを成長につなげるということだ。話は以上だ、席に戻っていい」



――ああ、またやってしまった。

簡単な入力ミスで上司の三澤さんに注意されるのはこれで三度目だ。

入社してまだ二か月にも満たない僕は、仕事を覚えることと与えられた仕事をこなすことでいっぱいいっぱいになっていた。


その上、上司の三澤さんはとても厳しい人で、三澤さんの下についてから何十回も注意されている。
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