大野さん 初めてのチュウ
彼の後ろ姿を見ながら少し遅れて歩く。この後ろ姿が私は好き。私の好きな人。今、キスしてくれたよね?私達キスしたんだよね?突然で、一瞬の事で、よく覚えていないのだけれど。考えながら歩いていると、あっという間に家の前に着いてしまった。
「じゃあ、また、明日。」
「あ、はい。」
本当に?さっきのが、私の、私達のファーストキスなの?今日はこれで終わり?
去って行く彼の背中を見ていたら、思わず、家の前に傘と鞄を置いて走っていた。歩く彼の前に回り込んで目の前に飛び出すと、びっくりしている彼に抱きついた。
「どうした?」
戸惑う瞳。
「もう一度して。」
そう言って私は彼にしがみついた。彼はしばらく唖然としてたけど、安心したように微笑んで、少ししてから、恥ずかしそうに、額に優しくキスしてくれた。優しくて、あったかいキス。
でも違う。さっきみたいに唇にして欲しい。首を振りながら、目で訴えると、彼は困った顔をした。お願い、もう一回だけでいいから。彼を逃がさないようにしがみつく。彼は白い息を吐きながら、はにかむように笑い、さんざんじらして、ようやく唇にキスしてくれた。
神井くんのキスは、温かくて柔らかくて、神井くんの匂いがする。なんてステキなんだろう。溶けてしまいそうだ。身体が上手く動かない。しばらく無言のまま、彼に抱きついていた。冷たい雨に手足は凍えていたけれど、ちっとも寒いと思わなかった。
「じゃあ、また、明日。」
「あ、はい。」
本当に?さっきのが、私の、私達のファーストキスなの?今日はこれで終わり?
去って行く彼の背中を見ていたら、思わず、家の前に傘と鞄を置いて走っていた。歩く彼の前に回り込んで目の前に飛び出すと、びっくりしている彼に抱きついた。
「どうした?」
戸惑う瞳。
「もう一度して。」
そう言って私は彼にしがみついた。彼はしばらく唖然としてたけど、安心したように微笑んで、少ししてから、恥ずかしそうに、額に優しくキスしてくれた。優しくて、あったかいキス。
でも違う。さっきみたいに唇にして欲しい。首を振りながら、目で訴えると、彼は困った顔をした。お願い、もう一回だけでいいから。彼を逃がさないようにしがみつく。彼は白い息を吐きながら、はにかむように笑い、さんざんじらして、ようやく唇にキスしてくれた。
神井くんのキスは、温かくて柔らかくて、神井くんの匂いがする。なんてステキなんだろう。溶けてしまいそうだ。身体が上手く動かない。しばらく無言のまま、彼に抱きついていた。冷たい雨に手足は凍えていたけれど、ちっとも寒いと思わなかった。