虫めづる姫君
あとがき
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最後までお付き合いいただき、まことにありがとうございます。
勢いで書き上げた作品なのですが、少しでもお楽しみいただけたら幸いです。
勢いで書き上げたので、虫の季節は無視です(ダジャレではありませんよ!)。悪しからず。
この作品の元ネタは、平安時代に作られた短編物語集『堤中納言物語』の中にある「虫めづる姫君」というお話です。
名前は便宜上、こちらで勝手につけさせてもらいましたが、姫君や御曹司のキャラもセリフも、内容はほとんど変えておりません。
言い方を現代風にアレンジしたくらいで。
姫君は本当に「人間というものはものごとの本質を見極めてこそ……」みたいなことを言っています。
平安時代の物語とは思えないその奥深くリアリティーのあるキャラ設定が、驚きです。
ちなみに、『堤中納言物語』には虫めづる姫君を含めて十編の物語が入っているんですが、どれも面白くひねりのきいた、斬新なものばかりです。
超プレイボーイが意中の姫をさらおうとしたら、なんと間違ってお婆さんを連れ出してしまうお話とか。【花桜折る中将】
急に男が訪ねてきて慌ててお化粧をしたら、白粉(ファンデーション)と間違ってはいずみ(アイブロウ、眉墨)を塗ってしまい、愛想をつかされた女の話とか。【はいずみ】
昔の人も、伊勢物語のような純愛ものや、源氏物語のようなどろどろ恋愛ものだけじゃなくて、
堤中納言物語のようなラブコメも求めていたんだなあ、と発見しました。
現代の私たちと同じですね!
全訳本もたくさん出ていますし、気になった方はぜひとも読んでみてください。
それでは、長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。