キャッチボール



「ちょっと陽翔ー!


なにやってんのよー」


ハッと陽翔が我にかえる。


「ごめんごめん!」


「エースピッチャーはこんなもんか!」


「だって沙良が…!」


「私がなに?」


「久しぶりに『陽翔』って呼ぶから…」


みるみる顔が赤くなる。


陽翔のバカ。



「そ、そんなの陽翔は陽翔じゃん!」



「そうだよな!悪かっ…た!」



陽翔が投げながら謝る。



―パン!!―



さすが、陽翔の球。


大好きなんだ。このいい音。




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