キャッチボール


「うん!そうだよ、陽翔!」



「ありがと、沙良!」



ニコッと陽翔が笑う。



その笑顔かっこよさに、ドキッとした。



「じゃあキャッチボール再開すっか!!」



「おっけー!!」



ねえ、陽翔。



いつのまにそんなに背、高くなったの?



ボールを包む手が、とっても大きかった。



かっこよく、なりすぎだよ。



キャッチボールをして、たくさん話せたのに。


冗談も言い合えたのに。



一番言いたかったことは言えなかった。



「陽翔が好き」って、言えなかった。



このキャッチボールが終わったら、


私たちの関係は、知り合い以下に戻っちゃうのかな…?


そんなの、やだよ。

< 21 / 28 >

この作品をシェア

pagetop