キャッチボール
「うん!そうだよ、陽翔!」
「ありがと、沙良!」
ニコッと陽翔が笑う。
その笑顔かっこよさに、ドキッとした。
「じゃあキャッチボール再開すっか!!」
「おっけー!!」
ねえ、陽翔。
いつのまにそんなに背、高くなったの?
ボールを包む手が、とっても大きかった。
かっこよく、なりすぎだよ。
キャッチボールをして、たくさん話せたのに。
冗談も言い合えたのに。
一番言いたかったことは言えなかった。
「陽翔が好き」って、言えなかった。
このキャッチボールが終わったら、
私たちの関係は、知り合い以下に戻っちゃうのかな…?
そんなの、やだよ。