キャッチボール


次の日、つまり土曜日。



私は陽翔の試合結果が気になって、



せっかくのオフなのに家でゴロゴロしていた。



今、17:30。



もうそろそろ帰ってくるかな…



あー!!ランニングでもしよう!



私はジャージに着替えてまたポニーテールにして玄関を出た。



「…………あ」




「…………おう」



家の前に、陽翔がいた。




「………あの、試合お疲れ…」



「………………おう」



なんか、暗いな…。


もしかして、負けて落ち込んでるとか…?


「沙良。」



「う、うん?なに?」



「勝ったぞ!初先発で、完封!」



「…………………」



ヤバい。




「って、おーい?沙良さん?



喜んでくれないの?」



「……………っ!!」



喜んでるよ。嬉しすぎて…………



「なにお前、泣いてんの?」



「おめでと……っ!よか…った…!」



私は陽翔に抱きついた。



「え、ちょっ!!沙良!」


「!ご、ごめん!!」



私ってば、何してるんだろ!!



慌てて陽翔から離れようとする。



けど、陽翔が私を引き寄せ、また抱き締めた。



「え……陽翔?」




「ちゃんとレギュラーになって勝ってから、


沙良に言いたかったことがあるんだ」



どくん、と心臓が跳び跳ねる。



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