裏切り者のお姫様 (更新中)
□ □ □
みんなから縁を切られてもう一ヶ月が経ったのかと思うとなんか変な気分。
確かにあの時はまだ雨の日が多かった気がするけど、最近では暑い日が増えてきたし、セミが鳴き始めてるのが聞こえる。
私自身が立ち止まっていても、時間は待ってくれずにどんどん進んでいってしまうことを改めて実感してる。
「鈴木サーン。今日の掃除当番変わってくれないかな〜?」
「私達忙しくってぇ。」
「いや…私バイトが…」
「よろしくぅ。」
ひらひらと手を振りながら帰っていく派手な女の子2人組に心の中で悪態をつく。
バイトだって言ってるじゃんか。
あなたたちは遊びに行くだけでしょ。
直接言うなんてことは絶対に無理なんだけどね。
バイトには少し遅れるかもしれないという連絡を入れてから、掃除に取り掛かる。
押し付けられたとはいえ、誰かがやらないといけないんだし、やってしまおう。
普段の嫌がらせよりよっぽどましだし。
この一ヶ月の間に嫌がらせはエスカレートしてると思う。
初めのうちは無視されたり、ものを隠されたり、靴の中に画鋲が入っていたり。
そんなことですんでたんだけど。
最近では普通に呼び出されて暴力を受けることもしばしば。
いったい私がなにをしたって言うんでしょうかね。
おかげさまで毎日毎日大きめのパーカーを着てこないといけなくなりましたよ。
あざが治る前に、新しいあざができちゃってるからね。