裏切り者のお姫様 (更新中)
口調は荒いし、ツリ目が睨んできて怖いし、どう考えても最後のブスは悪口だけど。
それでも、『本気でやれ』って怒鳴られたことにどこか嬉しさを感じている自分に驚いた。
「…本気でやっていいの?」
「はぁ?やれっつってんだろうが。なんべんも言わすな。つぅか、テメェごときに俺が負けるかバーカ。」
「確かに…凪強いもんね。」
「それに、ゲームは本気でやらねぇと手加減してる方もされてる方も面白くねぇだろうが。」
「…うん。」
私にとってゲームは負けて当たり前のもの。
勝たせてあげて当たり前のもの。
楽しむものではなくて、楽しませてあげるもの。
でも凪が相手なら…本人がいいって言うなら…。
私もたのしんでみたい。
「おい、続きやるぞ。」
そして私はそっとコントローラーを握った。