裏切り者のお姫様 (更新中)
冗談でもなんでもなく、本気で言っているらしい凪に驚きを隠せない私。
思わず凪をじっと見てしまった。
「…んだよ、文句あんのか、あぁ?」
「な、ないです。」
…いや、うん。
普通に怖い。
でも、またやってくれるのかぁ。
さっきまでの数時間を思い返す。
お互いに抜かれては抜き返すを繰り返すテレビ画面の中、抜かれては悔しがって、勝ったらよろこぶ。
そんな普通な時間がすごく楽しく感じた。
「あ。じゃあ私、帰ります。あの、おじゃましました。」
それから、自然と自分の頬が少しだけ緩むのを感じた。