裏切り者のお姫様 (更新中)
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なんだ、アイツあんな表情もできんのかよ。
まぁ、いつものシケた面より幾分マシだな。
さっき帰っていった根暗女の口元が初めて緩んだのを思い出して、ゲーム一緒にやってよかったかもしれねぇな、と頭によぎった思いを振り払う。
いや、ないないないない。
俺は清楚で可憐な美少女が好きだ。
それは恋愛とか関係なく。
なんにせよあの根暗ブスは論外。
同じ空気も吸いたくねぇ。
「なーくーん?嫌々残った割には結構ゲーム楽しんでた感じじゃねぇの〜?」
「楽しんでねぇ。あとそのニヤニヤ顔やめろ徹。うっかり殴りそうになる。」
「おー、怖いねぇ。」
「こっちのことはどうでもいいんだよ。俺を無理矢理残らせてあのクソブスの相手までさせたんだ。そっちの方はどうだったのか教えろよ。」
「あー…」
俺が聞いた瞬間さっと目を逸らした徹を睨む。
「凪、落ち着け。ちゃんと話すから。」
「チッ」
千影が説明するってことはあまり嬉しい知らせはないってことだな。
あったら徹がペラペラまず話すだろうしな。