裏切り者のお姫様 (更新中)




「結論から言うと、千代ちゃんを殴った奴らは多分直接的には関係ない」




「チッ、そうかよ」





「一つ収穫があるとすれば、今の西の状況は少しわかったことかな」





「そうそう、俺聞き込み頑張っちゃったからねぇ」





「徹は女と絡んでただけだろ」





「ゆうちゃん?あれも立派な情報収集なんですけど〜」





「いいから、さっさと教えろよ」





徹と悠里のくだらない言い合いに割って先を促す。


徹は肩をすくめて、悠里は睨みつけてきたがそんなもん知ったことではない。


俺も行くって言ったのをあのクソブス相手にするために置いて行かれたんだ。


情報ぐらい早く聞かせろ。





「わかったよ〜。…とりあえず言えるのは、今西では“アレ”以外にも結構グループを作ってやらかしてるやつらがいるらしいってこと。“アレ”の傘下、とか言われてるらしい」





「つまり、そのへんにいた単独で悪さしてる奴らが“アレ”の傘下っていう形で好き勝手し始めた、って感じかな。千代ちゃんの一件も、その集団の一つがやったと考えて間違いないと思う」






徹と千影の説明にふんっと軽く相槌をうつと、俺はもう興味ねぇと示すためにソファに寝転んだ。


もし“アレ”に関係があるなら、こっちは仲間に手を出されたってことで喧嘩をふっかける理由ができた。


でも傘下っていう名目でギャーギャー騒いでる下っ端があのクソブスに手を出したからって、数ある下の集団を潰したところで、“アレ”にはなにも響かねぇ。





「チッ。アイツが西でやられたっつうから利用できるかと思ったのに、使えねぇな」





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