裏切り者のお姫様 (更新中)
私の口から思わず名前がでてしまうと、涼くんは私がいるとは思っていなかったのか、目を見開く。
そして教室の中を見渡した。
それから私の方を見て口を開きかけて…やめた。
ズキッ。
涼くんにいらないって言われたあのときも、何かをいいかけてやめてしまった今もものすごく傷ついてる私がいる。
ちょっと期待してたんだ。きっと。
2人だけになれば、私の話を聞いてくれるんじゃないかな。
信じてくれるんじゃないかなって。
高校に入ってから誰よりも長く一緒に過ごしたのは、涼くんだから。
『また掃除押し付けられたの!?』って言って手伝ってくれるかなって。
そんなことあるはずないのに。
「また、掃除押し付けられてるの?」
「…っ!」