裏切り者のお姫様 (更新中)


* * *



掃除を終わらせてから急いでバイトに行くと、バイト先の先輩たちは笑って迎え入れてくれた。



最近ではバイト先が唯一心落ち着く場所な気がする。



バイトしている人たちの多くが大学生とか、私より年上の人が多いからなぁ。

大人の余裕ってやつ?




高校1年生の時から24時間営業のファミレスの厨房でずっと働かせてもらってるけど、最近はあざもできてて人様の前に出られる状態じゃないし、裏で働ける仕事で良かったなって改めて思う。





バイトをいつもどおり22時で切り上げさせてもらって、スマホを見ると新着メッセージが2件。




こんな時間に誰だろ。


…私の連絡先知ってるのって蝶華の5人と美麗、あとはこの間まで仲の良かった数人。


美麗かな…。




スマホのロック画面を解除すると、予想通り[美麗からの新着メッセージ]の文字。




はぁ…今回はどんなことを頼まれるんだろ。
これ以上、私になにをさせたいんだろ。



まだお願いされるメッセージかどうかなんてわからないけど、8割方いつものわがままLINEだろう。




今はそんな気分じゃないんだけどな。





『じゃーね、鈴木さん。』




涼くんの言葉を思い返す度に苦しくなる。


信じてくれるって信じてたのになぁ…。



まだ言うのかって感じだけど。



まだみんなから縁を切られてしまったことを信じられない自分がいる。


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