裏切り者のお姫様 (更新中)
私と親友でしょ?
どの口が言うの、それを。
ふざけないでよ。
私から居場所をとったくせに。
あれから私が嫌がらせを受けてるの知ってるのに、5人とずっと屋上ですごして声すらかけてくれなかったくせに。
どんどん黒い感情が這い上がってくる。
どんどん私が嫌な人間になっていく。
苦しい。辛い。助けて。
私がだまりこんでいると、電話の向こうでは美麗の息が切れる音が聞こえる。
それと複数の足音と、男の人のどなり声。
「美麗、なにやらかしたの…?」
『何もしてないよっ。絡まれたから反抗したら「調子乗んな」って追いかけられてるの!!』
電話の向こうでは男の人のどなり声と、美麗の小さく怯える声が再び聞こえた。
これこそいい気味だよ。
私も辛い思いしたんだから、美麗も辛い思いすればいい。
それなのに…
「今どこにいるの。」
『西区手前の繁華街!』
なんで私は美麗がいる場所に向かっているのか。