裏切り者のお姫様 (更新中)


□ □ □



私は優しく腕を引きながら無言で歩く目の前の青年に戸惑いを隠せないでいる。




助けてくれたのはいい。



うん。
本当に助かりました、ありがとう。




でも私のことガン無視して手を引くのはどうかと思いますよ!?



ちょっと綺麗な顔してるからってなんでも許されると思ったら大間違いなんだから!!


…ってそういう話でもないか。




目の前の青年は男3人をダウンさせて私に声をかけたあと、本当に一瞬だけ眉間にしわを寄せてから、私の手を優しく引いて歩き始めた。



というか、人間あんなに無表情でいれるものなのね。



私も表情があんまり出ないほうだと思うんだけど、あそこまで無表情ではないと思う。



しかもその無表情が綺麗な顔立ちを際立たせているのが、なんか腹立たしい。




「あ、あの。どこに向かってるんでしょうか…。」



「…。」




はい、沈黙をいただきましたありがとう。


私も抵抗せずに手を引かれるままついていってるけど、これ大丈夫なのかなぁ…。



さっきのあれがあってからの今の状況って、私警戒心薄すぎる気がしてきた…。



今からでも手を振り払って逃げるべきかな。





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